国籍を偽って市長を務めていた疑惑が浮上したフィリピン北部バンバン市のアリス・グオ前市長について、首都のマニラ地裁は9歳の時にフィリピンに入国した「中国人」だと認定した。29日、現地メディアが報じた。バンバン市を拠点とした中国系の特殊詐欺グループに関与した罪でも訴追されており、犯罪組織の実態解明が進む。
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グオ被告自身は「フィリピンパスポートを持つフィリピン人だ」と主張していた。それに対し、27日付の決定書は、指紋の捜査などから、グオ被告は中国人の両親から生まれた本名「グオ・ホアピン」という人物だと認定。9歳だった1999年に中国・福建省から中国パスポートで両親とフィリピンに入国したとした。
その上で、当選した2022年の市長選への出馬資格はなかったとし、当選は無効だとした。
主要紙インクワイアラーによると、グオ被告の一家は99年の入国時、フィリピンの投資家向け特別居住ビザを取得していた。しかし、その後、司法当局が調べたところ、フィリピン国籍への帰化申請を行った記録がなかったという。
「組織から脅迫されていた」
グオ被告はこのほか、特殊詐…